あるいは「スプーンどこ?」「『ハイラーズ』の引き出し」
このように頻繁に『ハイラーズ』という言葉を日々連発しておりました。
要は『水屋・みずや(食器棚)』のことを『ハイラーズ』と称していたらしいのです。
『ハイラーズ』?・・・『ハイラーズ』??
わしのオカンは、いったい、どこでそんな変な言葉おぼえてん?
昔『蝿入らず』という商品がありました。
写真のように、傘みたくレース状の布を開いて、食卓の上に用意してある料理にかぶせて、蝿などが来るのを防ぐための道具です。
蝿減りましたネ・・・そんな気がする・・・
最近は『蝿入らず』とは言わず『フードカバー』などと、商品名から『蝿』といった響きを見事に消し去ったお洒落なネーミングになっているようです。
先に『水屋箪笥(みずやたんす)』のことをチラと書きました。
よくわかりませんが、その『みずや』が、西洋の食器棚と合体して、現代の食器棚になったように思います。
そんな風にデザインが変化して行ったんですよね。
さて『ハイラーズ』という、まったく出所のワカラナイ言葉を若い美空で連発していた、憐れなわたくしの母です。
彼女の脳が『ドーパミン』の過剰分泌状態にあることはうすうす気がついておりました。
おそらく彼女の中で『蝿をよけるもの』=『蝿入らず』といった構図が出来上がっていたようです。
いつしか『蝿入らず』は『ハイラーズ』に激しく訛(なま)って変化を遂げ、常識では考えられないことですが『蝿をよけるもの』=『蝿入らず』→『ハイラーズ』=『みずや』=『食器棚』となってしまったのでしょう。
そんなわけで彼女の中では今でも「『食器棚』は『ハイラーズ』である」といったような、恐ろしく笑える事態を生んだのではないか?と推察される次第です。
ちなみに、写真の『水屋箪笥』の以前なのかなあ?
もっと簡素な蝿よけの箪笥があったようです。
写真がそれですが、なかなか風情があってナイスですよネo(^▽^)o
現代でも現役で『蝿帳(はいちょう)』の名で販売されてます。
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『ハイラーズ』でしたかあー(>-<。)
共感できて、とても嬉しいですヽ(´▽`)ノ
『ハイラーズ』という単語をこんなふうに共有できることが奇跡的にさえ感じます。
子どもの耳には「ハイラズ」と聞こえ、母も「ハイラズに入れといて」みたいな事を言ってた様に思います。
「みずや」も別にあった気がします。
ずっとこの言葉も使ってましたから。
3月に母が亡くなりました。
生きていれば「こんな言葉あったよね。家具もあったよね」と話せるのに。。。と残念です。
私の母は、しっかりと『ハイラーズ』と発声しておりました。
幼心に「外来語やねんな・・・」と思ってました。
「みずや」も「レイゾウコ」と同じく、「ミズヤ」と鵜呑み(うのみ)で使ってました。
わけがわからなくても、ことばってそれなりに通じ合うものなんですね。
幼い頃の会話や、その中に出て来る単語って、そんなものかもしれないですね。
お母様のこと、ご冥福をお祈り申し上げます。
コンさんの胸中、お察し申し上げます。
うちの家でも ハイラーズと言うてました。
しかし、うちでの、ハイラーズは、常温でプラ製で、模様の隙間に、網が用いられた、四角い扉付きで小さな常温の簡易食材保管容器の様な、棚の付いた物でした。