人に産まれた以上『完全な人』なんて一人も居ませんよね。
この世に『完全に正しい人間』なんて居ませんし『生き方の正解』なんてのもありませんもんからネ。
人間には、産道と、赤ちゃんの頭の大きさの関係があるんです。
赤ちゃんの脳が完全に完成してしまったら、産道を通れなくなっちゃいます。
出産時に母子共に確実に死んでしまいます。
これが人間の宿命です。
ですから、人間の子は、みんな『未完成の脳』の状態でこの世に産まれ出ます。
その後の環境が母親の『羊水』の中のように完全であることなど不可能です。
ですから、良いにつけ悪いにつけ、未完成な赤ちゃんの脳は、環境の影響をもろに被るわけです。
そんなわけで人間は他の生き物とは違って、自然界とはそぐわないわけです。
あるいは「完全な人間など一人も居ない」と言い切れるわけです。
『精神病』といった言葉や『精神科』といった言葉にはかなり語弊があると常々感じます。
赤ちゃんは無垢で産まれます。
ですから脳の病気さえなければ、心は健全に産まれて来ます。
でも、その環境によって、大なり小なりみんなどこか違っていて、完全ではありません。
もしも『精神病』という言葉を使うのであれば『完全に正しい人間』など絶対に居ませんから、人間は全員『精神病』です。
脳の疾患による異常を除いて考えれば、環境によって、様々な性格が出来上がるだけのことなんです。
その性格がそこそこで、人間社会で甚だしく逸脱して、多大な迷惑をかけたりしなければ問題にはならないわけです。
あるいは、その性格で、自身がひどい苦しみを覚えることがなければそれでいいわけです。
『無くて七癖』と言いますね。
つまり自分の性格の癖を把握するのはかなり困難なことです。
相当に努力しなければ、まず自覚することはありませんよね。
もしも、性格の癖で、生きることが甚だしく苦しくなってしまったり、死にたい程になってしまった場合は、その『性格の癖』を見つめ直す必要性が出て来ますよね。
そういった『性格の極端な癖』をちゃんと観てもらうのが、いわゆる『精神科』であり『精神科医』なわけです。
お医者さんは、診察をし、診断をして『病名』をつけないと治療ができませんから、その『性格の癖』を既に分類してある『病名』に振り分けます。
そして、その『病名』があてがわれるわけです。
これが社会的に言うところの『精神病』であり『精神病の患者さん』です。
ですから、言ってみれば、社会的に他者にとんでもない迷惑をかけたり、生きるのが地獄のように苦しくなってしまうような『性格の極端に困った癖』=『精神病』というわけです。
ひらたく言えば、みんなどこかハンドルの歪んだ自転車をこいで生きているようなものです。
それが乗りこなせる程度のハンドルの歪みであるか、長いことこいでたら、事故を起こしたり、事故に遭うほど危険であったり、あるいは、こぐことが不可能なほどの極端な歪みであったりといったようなことです。
でも、これも、時代背景で、全然違って来ますよね。
例えば、ナポレオンもヒトラーも織田信長も相当に残忍で『極端な癖を持った性格』でした。
自転車のハンドルはかなり歪んでいたわけです。
でも、時代背景で、戦争が終ったら、史上最悪の罪人となったり英雄視されたり、伝説の武将になっちゃうわけですもんね。
ちなみに、ひどい性格の歪みを持っておられても自覚が無い場合があります。
例えば、元赤軍派の重信房子は自身の行った残忍な行為を『正義』であると疑うことなく生涯を終え、逝ってしまうことでしょうね。
手錠をはめられたままでテレビカメラにピースサインしてましたもんねえ・・・。
そんなわけで、極端に性格が歪んでしまっている人って、案外自覚が無いんです。
ですから、まず自らを疑ったりすることはありません。
ましてや自ら『精神科』に足を運ぶなんてことは絶対にしません。
ご自身を「大丈夫かな〜?」と心配なさる方もいらっしゃいますね。
そういった方はまず間違いなく健康です(^-^)
生きるのが苦しくてたまらないから「大丈夫かな」だったら、受診をお薦めしますけどね。
そこそこに社会の中で、暮らして行けるのであれば、ことさらに問題無いわけですもんね。
あるいは、どういうわけだか、世間からクレームの嵐であるとか、警察に逮捕されまくりなんてことも無いなければ、まず間違いなく、そこそこには健康ですよね。
そういったわけで、みんな、ちょっと曲がったハンドルの自転車をどうにか上手に乗りこなして生きているわけです。
しかしそれがどうにもならない状態になったり、とても乗りこなせないような自転車であった場合は、どんな具合にハンドルが歪んでいるのか?確かめたり、その乗りこなし方を検討したり練習したりする必要がありますよね。
そういった観察をするのが『精神科』であり的確に観察して、どこがどういう具合に乗りにくいのか?を観て下さるのが『精神科医』です。
そして、その結果を受けて、より具体的に、どんな具合に自転車の調子がおかしいのかを分析して下さったり、その結果を考慮に入れて、実際に如何に乗りこなすか?といったことを一緒に考えて下さったり、あるいは、乗りこなすトレーニングに付き合って下さったり、アドバイスして下さったり、見守って下さるのが『カウンセラー』であり、現実に乗りこなす苦労から出る嘆きにじっと耳を傾け、受け止めて下さったりするのが『カウンセリング』とも言えるかもしれません。
精神科医は、そういった厳しいトレーニングやそれにともなう嘆きの際の負担に対して、対処療法として、適切な向精神薬を処方して下さいます。
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